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鞍馬口日記 ②

9月8日
読了時間: 3分


思いつきで「鞍馬口日記」というタグを作ったので、とりあえず当店が位置する鞍馬口エリアのことだけを続けて書いてみようと思う。


「鞍馬口」という地名は、京都の北部にある「鞍馬」と間違われることが多い。貴船・鞍馬の鞍馬であり、源義経が幼少期を過ごした鞍馬寺と鞍馬天狗で有名なあの鞍馬である。店は鞍馬口にあるんですが、というと、ずいぶん山の中なんですね、寒くないですか?などと府外の人に言われることもある。冬は雪深いその京都の奥座敷とは名前は親戚でも立地はかなり隔たっていて、しかし地元民以外にはあまり認知されていない界隈なのである(おそらく)。最寄の京都市営地下鉄「鞍馬口駅」でも「ここで降りても鞍馬には行けませんので」のような看板が確かついているはず。いまだ間違う人も多いのだろう。


もちろん本家の鞍馬と関係はあって、上賀茂を経て鞍馬へ向かう「鞍馬街道」の始まりだったため「鞍馬口」という地名が鎌倉時代にはすでについていた…というのは、ウィキペディアから拝借した情報です。


そして鞍馬口には鞍馬口通りがあり、それは東は下鴨神社門前から、西は金閣寺門前までの約3キロほどの道のことで、当店はその鞍馬口通りと、おそらく府外の人にも名が知られているであろう寺町通りのちょうど交差する点に位置している。鞍馬口駅がある烏丸通からは東側であり鴨川と下鴨神社寄り、となる。駅から西に向かえば堀川通りを過ぎるあたりから西陣に向かうエリアとなるので、進むほどに賑やか、というか上京らしい雑多な雰囲気となってきて、人もお店も増えおしゃれな感じも増す。なんとなく東との差を感じたりする。でも私はこの「鞍馬口通り東側」が馴染みが深く愛着もある。店からは徒歩5分、静かなる出雲路橋の存在も大きい。


店の前の鞍馬口通りはかなり狭く、マンションや商店が立ち並ぶ中、細い道を車や人や自転車が往来するので結構な密度であり、しかし賑やか、というよりは、生活の道、といった感じである。夕方、その細い道を自宅に帰るため東に向かって歩く時、空を縫うように交差する電線と夕焼けの赤がまじわり、とても美しい瞬間がある。隣を歩く小学生と見上げながら、出雲路橋を越え帰宅の途につくと、またそこは違うエリアとなる。出雲路橋があっちとこっちの境目をうまい具合に果たしてくれていて、それもとても気に入っている。


長々と何が言いたいかというと、鞍馬口の東側はよくいえば閑静で「あんた…こんなところにお店出してしもて…」と近所の年配者に心配されるような場所かもしれないが、「こんなところに本屋(古書店ですが)を作ってくれて嬉しい」と言ってくれる人も割合いたりする、そんなようなところです。もし京都でどこに住んだらいいかな、と思う人がいたら私はおすすめする。東西南北どっちを向いてもまあまあ楽しい。


以上、地元民には「で?」と言われ、よその人には「わからん…」と言われるであろう内容だけれども、これからも、私自身の目に入る鞍馬口のごくごく狭い周辺を気が向いた時に綴っていきます。

© shimotsukibunko

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