内田百閒、吉田健一、火野葦平、石原慎太郎、田中澄江ら、編者自身を含めて14名の酒にまつわるあれこれの話。どんな人間でも盃の数だけエピソードはあるものですが、昭和30年代の文壇でのそれは語り甲斐も聞き甲斐もあるものばかり。そこにはやはり編者である奥野信太郎自身の視点が介在し、それも合わせて眺めると様々な酒の景色が見えてきます。棟方志巧の版画がそこに迫力を添えて。
個人的には、尾崎士郎が、敬愛するシャーウッド・アンダスンに払うべき原稿料を為替にするのが面倒くさくて仲間と一夜にして飲んでしまい、それを正直にアンダスンに手紙で告白して許された、というエピソードが好きです。使い込みを被害者本人に当時の船便であろう国際郵便で白状する...この悠揚さ。それを受け入れるアメリカ人作家。アンダスンの人柄がしのばれます。
執筆者:尾崎士郎/田中澄江/泉山三六/内田百閒/吉田健一/加藤俊一/横山泰三/石原慎太郎/火野葦平/中野好夫/仁戸田六三郎/青柳瑞穂/野間仁根/奥野信太郎
*ダストジャケットに黒ずみあり、小口にシミありなど、経年によるくたびれはご理解くださいませ。それ以外はおおむね古書として標準的な状態です。
編集:奥野信太郎
発行:春陽堂
発行年:1958年初版
132mm x 188mm
ハードカバー
248P
酒 奥野信太郎編
¥1,500価格

